松山市民便利帳2021
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 松山市では夏前になると、日常会話にダムの貯水率や地下水位が話題になるほど、市民は水に関して敏感です。 これは、平成6年に全国でおきた大渇水時、松山市でも非常に厳しい給水制限が行われたことが、今も市民の間に強烈な印象を残しているからです。 石手川ダムは、将来のピーク時の人口を37万人と想定して昭和48年に建設されたため、現在のような人口50万人を超える都市の水源としては脆弱です。 この厳しい状況を踏まえ、松山市では節水を「我慢して水を使わないようにすることではなく、無駄に使われている水をできるだけなくそうとすること」と定め、市民・事業者と一体 松山市の年間降水量は全国平均の約1780mmを大きく下回る約1400mmしかありません。市の上水道は、おおむね、石手川ダムと重信川周辺の地下水でまかなわれていますが、これらの川は水源から河口までの長さが短く、しかも水流が急なため、降り注いだ雨がすぐに海へと流れでてしまいます。平成6年、記録的な高温・少雨により、秋の台風シーズンを迎えるまで全国的な渇水となりました。特に松山市の状況は深刻で、7月26日から時間給水が始まり、最終的には水が使える時間が1日5時間という給水制限が行われました。石手川ダムは完全に干上がり、通常は利用しない底水(土砂をためる機能部分にたまった水)までも使い果たしてしまいました。市民生活への影響は大で、生命も脅かされる事態にまで発展。このような水不足が実に4カ月間も続いたのです。「水」に敏感な松山市民そもそも、なぜたびたび渇水が起こるのでしょうか?水不足に陥りやすい松山の自然条件節水型都市を目指す市民の努力平成6年の大渇水01000150020002500(ミリ)1619.92666.41776.6全国松山市高松市高知市徳島市1404.61150.1雨に恵まれない瀬戸内沿岸部グラフ1石手川と重信川は、急で短いグラフ2※気象庁観測資料による平成3年~令和2年の平均値(1991年ー2020年)松山市の水がめ、石手川ダムの利水容量は630万㎥。となって節水型都市づくりを進めています。 その結果、市民一人が一日に使用する水の量は、平成6年の大渇水の前年には358ℓでしたが、現在は284ℓ(令和元年度)と、大きく減少しています。 市民の皆さんの努力のおかげで節水が進んではいますが、それでも、今後の水需要を予測した上で行った水需給のバランスの検討で、令和7年度には、給水人口が49万3,000人に減少するものの、1日最大40,000㎥の水量が必要と算出されました。市民一人ひとりが高い節水意識を持って、水のムダ使いをなくすことは、新しい水源づくりと同じことです。引き続き節水に協力しましょう。年間平均降水量温暖で、積雪や台風などによる被害の少ない松山市。穏やかで恵まれた気候ですが、1年を通じて降水量が少ないことが悩みの1つ。だから、松山市民の節水意識の高さは国内屈指です!松山松山のの 水事情 水事情松山松山のの 水事情 水事情松山の 水事情~市民の努力で水不足問題に立ち向かう~~市民の努力で水不足問題に立ち向かう~~市民の努力で水不足問題に立ち向かう~~市民の努力で水不足問題に立ち向かう~~市民の努力で水不足問題に立ち向かう~ぜいじゃく0100200300400平成5年度358ℓ284ℓ松山市民1人が1日に使用する水の量令和元年度(ℓ)教えます!その335003000250020001500100050001002003001600河口からの距離(km)標高(m)物部川物部川仁淀川仁淀川筑後川筑後川肱川肱川土器川土器川那賀川那賀川北上川北上川セーヌ川セーヌ川ナイル川ナイル川ミシシッピ川ミシシッピ川アマゾン川アマゾン川吉野川吉野川木曽川木曽川石狩川石狩川利根川利根川信濃川信濃川天竜川天竜川四万十川四万十川石手川重信川国土交通省『石手川ダム』より平成6年9月 底水ゼロの状態[写真提供/国土交通省松山河川国道事務所石手川ダム管理支所]ふるさとの駅に降り立てば磯の香り 住んでた時は知らなかった

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