松山市民便利帳2019
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 大正11年、旧松山藩主の子孫である久松定さだこと謨伯爵が別邸として建設。木子七郎が設計した県内最古の鉄筋コンクリート造の建物である。西洋建築の多くが左右対称である中、日本人の美意識を取り入れたアシンメトリーな構造が特徴。戦後、松山家庭裁判所として使用されていた時期もあった。現在は国の重要文化財に指定されている。■ 名建築の小さな旅■ 松山八カ寺 遍路の旅■住 松山市一番町3-3-7 ■☎ 089-921-3711 ■開 9:00~18:00 ■休 月曜休(祝日の場合は開館) ■料 見学無料(2階企画展大人300円)萬ばん翠すい荘そう久松定謨のこだわりが詰まった瀟洒な洋館松山市内を歩いているとたびたびみかける、レトロな建物。そんな名建築を訪ねてみませんか。四国八十八ヵ所霊場のうち松山市には8つの霊場があります。 一日で廻れる気軽さなので、八カ寺めぐりをしてみませんか。代々皇室の技師を務めてきた木子家に生まれた建築家。新田長次郎の娘との結婚を縁として、愛媛で多くの活躍をみせた。コンクリート造建築を数多く残し、他にも石崎汽船本社などを手がけている。木き子ご七しち郎ろうという人物 松山市には第46番 浄瑠璃寺、第47番 八坂寺、第48番 西林寺、第49番 浄土寺、第50番 繁多寺、第51番 石手寺、第52番 太山寺、第53番 圓明寺があり、各霊場には歴史的価値のある文化財も数多く、現在も来訪者は後を絶たない。また周辺には弘法大師ゆかりのスポットも多く点在している。 昭和3年建築の登録有形文化財。戸村秀雄によって設計されたといわれており、当時の庁舎建築としてはアシンメトリーな構造は珍しい。正面のメダリオンやバルコニーなど、シンプルな中にも装飾性をこらした造りになっている。 586年、真野長者によって本堂が建立された。現在の本堂は1305年に建立され、国宝に指定されている。 国宝の仁王門をはじめ、みどころ満載でも知られる。地元の人からは「お大師さん」の愛称で親しまれている。 旧制松山高校時代の唯一の現存物。鳥海他郎によって設計されたといわれ、トスカナ様式の円柱とルネサンス様式である左右対称の塔をもつ、大正期を代表するモダン建築である。現在も愛媛大学教育学部附属中学校の講堂として使用されている。■住 松山市北持田町102 ■☎ 089-941-6293■住 松山市太山寺町1730 ■☎ 089-978-0329■住 松山市石手3丁目9-21 ■☎ 089-977-0870■住 愛媛大学教育学部附属中学校 松山市持田町1-5-22 ■☎ 089-913-7841松山地方気象台太たい山さん寺じ石いし手て寺じ章しょう光こう堂どう当時の近代様式を偲ばせる気軽に霊場めぐりを体験欧州の2つの時代の建築様式を持つ 文政11年に造られた藩校の講堂。秋山兄弟や正岡子規らが学び、夏目漱石が教鞭を執った場所でもある。戦時中、先生と生徒が一丸となって空襲から守り抜いたというエピソードが有名。■住 愛媛県立松山東高校 松山市持田町2-2-12 ■☎ 089-943-0187明めい教きょう館かん松山ゆかりの人物も多く利用 昭和4年に木子七郎によって設計された4代目の愛媛県庁舎。知事が執務する庁舎としては全国で3番目に古く、正面のドーム状の屋根や左右対称の構造が最大の特徴。2階エントランスホールの床や階段の大理石、ステンドグラスも一見の価値あり。■住 松山市一番町4-4-2 ■☎ 089-941-2111(代表)愛媛県庁映画のロケでも使われた名建築その他の松山の名建築

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